アフターアウトリーチin法政大学第二高校

<日程>令和 6 年11 月 23 日(土)13:00~16:00
<会場>法政大学第二高等学校(法政二高)
<参加者>法政二高演劇部 9名
<講師>河田園子(演劇企画 JOKO)
<アシスタント>中野亮輔(劇団青年座)
【はじめに】
しんゆりアウトリーチでは2019年から川崎市高等学校演劇研究会に加盟する高校演劇部が集まる合同ワークショップを開催してきました。そこからさらに各学校が持つ悩みをクリアすることを目的とした「アフターアウトリーチ」を実施。今年度の二校目として法政二高演劇部を訪れました。
事前に演劇部から取り組みたい内容や普段抱えている悩みを聞き、希望に合わせたワークショップを行います。法政二高からは次のような悩みが上げられました。
・効果的な発声や意識するポイント
・舞台上の人物構図(人物の配置によって関係性を見せる演出方法)
・感情と動きの連動
合同ワークショップから引き続き、講師は河田園子さん、アシスタントは中野亮輔さん。
「今日はお互いに遠慮せず自分の心と体が楽な状態でワークショップに取り組もう。私も演劇の仲間としてここに来ているので一緒に楽しみながら、人数が少ない分一人一人の細かいところまで掘り下げていこう」と声を掛けます。
【ウォーミングアップ・響声エクササイズ】
部活の時間に限りがあるため、短くて効果的なアップのリクエストがありました。舞台に立つための準備として「体を温める」ことに重点を置き、体幹トレーニングに取り組みました。
また、発声練習はいきなり喉を酷使してせき込む人がいたため、発声の前にゆっくりと喉を温めるトレーニングを加えます。さらに声帯や口腔内の構造を伝え、声を「大きく出す」のではなく「響かせる」トレーニングを行いました。
自分の声が体のどこに響いているのかを一人一人確かめながら取り組みました。
【ステイタスゲーム】
事前アンケートの中から、舞台上の人物構図(人物の配置によって関係性を見せる演出方法)を考えるため、ステイタスゲームというワークショップをしました。
役が持つ性質や社会的な地位(ステイタス)を考え、自分の性格や相手役との関係性により、舞台上で居やすい位置を捉えます。
演じるだけでなく交代で外から見ることで、関係性を表すには個人の表現に加え、周りがどう関わるかも大切だと学びました。
【テキスト】
最後に短いテキストを使って2人1組になって演じました。
テキストのセリフはシンプルで短いやりとりです。
1回目は2人で相談して自由に演じます。
事前アンケートでは、「セリフへのアプローチの仕方」「感情の出し方」のリクエストがありました。そこで2回目に演じるときは、自分の役の目的を加え、セリフに目的を達成するための「行動(アクション)」を込めます。続いて、3回目はランダムな関係性を与えました。
「行動」と「関係性」を加えることで、同じセリフでも各組で違うアプローチが見え、自然と感情も生まれることを体感しました。
【さいごに】
少数での開催ということもあり、一人一人に向き合いながら実施することが出来ました。最後に感想や質問を聞いたところ、各々が抱えている悩みや課題に対して、「次回はこうしてみたい」等の前向きな課題が多く、本日行った内容を別の題材でも試してみたいという声も多くいただきました。
講師からは「先輩後輩の関係性もとても良くチームワークが素晴らしくまとまっていた。これからも存分に演劇を楽しんでいって欲しい」と締めくくりました。
【アンケート抜粋】
・一人一人を丁寧に見てもらえて嬉しかったです。
・発声の仕組みから知ったことで、より意識してできるようになれたと思います。
・今まで悩んでいたことをロジカルに説明してもらえたことで問題を解決できてよかったです。
・今回学んだ考え方を使って演技の幅を広げていけるように頑張ります。